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●塗装の前に●
白黒灰色?下地塗装編



■ さて、いよいよ塗装前とりあえずの最終段階となります。ココで失敗したら今までの苦労が台無し!気合入れて頑張りましょう。

 
この行程では、選択肢により作業方法がいくつかに分かれます。自分の都合の良い方法を選んで下さい。とにかく、ペイント前の下地塗装膜が薄ければ薄いほど、ミニチュアのモールドに影響を与えたり表面を荒らしたりする危険度が少ないので、それを念頭に置いて進めてください。『完璧で薄い下地作り』こそ、完成精度を左右するといってもイイでしょう。

【用意するもの】
 ・「組み立て〜表面処理」までの作業を終えたメタルフィギュア
 ・0〜1号程度の面相筆(丸筆)
 ・スミ入れ用塗料(黒・グレー・茶など)
 ・上記塗料用溶剤
 ・下地処理剤(
※1): 金属用プライマー・プラスチック/金属用サーフェイサーなど
 ・下地塗装用スプレー(
※2): 用途に応じて白・黒など。つや消しのものを選んで下さい。
 ・下地用塗料(
※3): 上記スプレーと同じ色のもの

1・2については、「シタデル・アンダーコートスプレー」が両方の性質を兼ね備えており、とても便利でオススメです。また、「プラサフ」(カー用品店などにあります。ただしカーペイント用サーフェイサーは表面を梨地にする場合がありますので注意!)など、他にもプライマーを含むサーフェイサーが存在しますので、入手しやすいものを使うと良いでしょう。
 
 また、
※2・3について、ペイントに使用する塗料によっては、下地に適さない(使えない)性質のものがあります。以下、代表的な例を挙げておきます。

≪下 地≫ ≪ペイント≫ ≪相 性≫
エナメル ラッカー ×
アクリル ラッカー ×


 【作業開始!】

白下地とは? ●黒下地とは?
長所:
・明るい色・隠ぺい力の弱いカラー(赤・黄など)をペイントする下地に最適。
・発色を良くしたい場合に用いると良い。

短所:
・暗い色はムラが出やすく、金属色を塗るのには向かない。
・スミ入れが必要な場合あり。
・手間がかかるので、初心者には不向き
長所:
・暗い色をペイントする下地に適している。
・金属色を塗る場合や、重厚なイメージを表現したい場合に有効。

・気を使わなくて済むので、初心者に向く。

短所:
・隠ぺい力の弱い色を塗っても上手く発色しない。
・全体のトーンが暗くなりがち。


1.)まずは下地作りから

 
先ず、プライマーを全体に適量塗布します。金属地の上に直接ペイントしようとしても、塗料をはじいてしまったり、ちょっと触っただけでも剥がれたりしますので、必ずプライマー(もしくはプライマー成分の入った塗料)で必ず表面処理して下さい。

2.)必ずしも必要ありませんが…サーフェイサー処理

 
プライマーが乾いたら、サーフェイサーを塗布します。が、サーフェイサーの用途は「塗装の食いつきを良くする・表面の細かな傷を埋める」ものであり、小さなメタルフィギュアには必要の無い処理でしょう。どうしても…という場合については、模型用の目の一番細かいもの(1200番など)を使用しましょう。

 
なお、白下地でペイントを始めたい方には、「ホワイトサーフェイサー」という商品がありますので、これを使えば3.の行程を外すことも出来ます。

3-A.)白下地を選択した場合


  白下地は、明るい色をペイントする下地に最適です。反面、暗い色はムラが出やすく、金属色を塗るのにも向きません。発色を良くしたい場合や、黄色や赤色など下地が透けやすい(隠蔽力が弱い)色を塗る場合に用いると良いでしょう。

 
但し、塗り分けライン(境界線)がシビアなので、本塗装の前にスミ入れなどの必要があり(自然界に境界線などありませんから、ビシッ!とラインを極められる方は必要ありません)、初級者にはあまりオススメ出来ません。したがって、塗料の特性を覚え、自身の作品性などを目指せるようになってからこちらを選んだ方が、ストレスも溜まらずイイと思います。

 
さて・・・2.までの行程でミニチュアが金属色もしくは、グレーになっている場合は、この行程が必要になります。用意した白色のスプレーを塗布して下さい。スプレーしきれない部分については、塗装が乾いた後に、用意した同色の塗料を筆塗りでフォローしましょう。

 
スプレー塗料の吹き付け方については、【塗装下地講座】を参照して下さい。

3-B.)黒下地を選択した場合

  黒下地は、暗い色をペイントする下地に適しています。が、白下地に対して、隠蔽力の低い色を塗っても上手く発色してくれません。金属色を塗る場合や、重厚なイメージを表現したい場合に有効です。

  初級者については、とりあえずコチラから始めるコトをオススメします。

  作業方法手順については、上記白下地と同様です。

3-C.)白黒合わせ技!?

 
必ずしも、ミニチュア全体の下地が一色である必要はありません。白黒両方の利点を合わせて…例えば、『アーマー部分は黒・顔は白』の下地を用意すれば、ひとつのミニチュアの中でも質感の表現が簡単に出来ますから、ぐっと作品のリアリティーも上がります。(その他、たとえば赤が大部分を占めるような作品には、茶色を使っても良いでしょう。模型趣味では、コダワリが楽しいものです。いろいろ考えてチャレンジしてみましょう!)

  始めに白・黒どちらの下地が必要か比率によって判断し、反対の色が必要な部分にのみ筆塗りしてしてやれば良い訳です。但しその分余計に塗膜が厚くなりますので、勘や経験から判断出来るようになってから試してみましょう。

4.)スミ入れ(白下地の場合)

 
先に書いたように、白下地の場合は境界線がビシッ!と塗り分けられないと、いくらグラデーションなどが巧く出来ても汚らしいイメージになります。これを避けるために、境界線を黒などで予めスミ入れしてやることで、目立たなくしてやる訳です。

 
方法は…溶剤で2〜3倍(スミ入れ仕上げより薄め)に薄めた塗料を、塗り分けラインに沿って面相筆で丁寧に塗ってやるだけです。また、下地全体を汚してしまうというリスクはありますが、更に薄く(5〜8倍程度)溶いた塗料でミニチュア全体をウォッシング(洗うように塗る)することで、手早くスミ入れをすることも可能です。

 
ハミ出してしまった部分などは、白色塗料でリペイントしてやれば、キレイに処理出来ますよ。

 ※インクウォッシュによるスミ入れを推奨する向きもありますが、カラーインク(特に薄めたもの)は完全乾燥に大変時間がかかります。上に塗る塗料に滲むケースが多々ありましたので、しっかりと乾燥時間を取れない場合はオススメ出来ません。ただし、利点として「モールドが把握し易くなる」ということもありますので、両方を知った上でチャレンジしてください。

5.)下地塗装完了!

 
遂にペイント前作業が終了です。お疲れ様でした!
文章で書くと長いですが、慣れればココまで来るのもそれ程時間は掛かりません。とにかく、『習うより慣れろ』です。頑張って塗って下さいね。

 ※ ココまでの行程が終わったところで…表面保護剤(後日掲載予定の【塗装編】参照)を塗布しておく方法もあります。コレは、ペイント中に下地が剥げる(尖った部分にありがち)のを避ける手段であり保険となります。反面、何度も書いているようにその分塗膜は厚くなります。必要かどうかによって判断してください。因みに僕はやりません(笑)


さあ塗りましょう!GO!





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