● 意外と難しいのがパテの選択ですよね。発売元もたくさんあれば種類も様々。どんな作業にどんなパテが向いているんでしょうか。僕達が実際に使っている商品をご紹介しながら、簡単にご説明します。
■プラパテ(ラッカーパテ)120円くらい〜
タミヤのチューブ入りのものが有名だと思います。ちょっとした隙間や段差・傷を埋める場合に有効です。有機溶剤が揮発して、硬化するタイプですね。硬化後の“ヒケ”(溶剤が飛んで質量が減ること)が大きいので、大穴などを埋めたりする作業には向きません。特に厚塗りすると、内部の乾燥に大幅な時間が必要となります。盛り付けが必要な場合は少しずつ盛り足してあげましょう。
また、ラッカー用の溶剤で薄めて下地剤(サーフェイサー)として使ったりすることも可能です。(粒子が粗いのでミニチュア用途にはオススメ出来ませんが…)
硬化時間 |
:遅い(盛り付けた場合) |
表面処理に使用 |
:◎(傷埋めに有効) |
穴埋め・改造 |
:× |
◆FMPオススメ品◆
○タミヤパテ(32g) ※同社から“光硬化パテ”なるものが出ました。今後のレポート課題とします!
■エポキシパテ(化学反応型充填剤)350円くらい〜
色の違う2種類の粘土状のものを同量練り合わせ、化学反応で硬化させるタイプです。硬化後のヒケが殆ど無く、粘土状のため硬化前にある程度の形を作れるのが特徴です。大きな穴を埋める場合や、改造・造形の際に便利ですね。
ミニチュアの原形製作には、これを使うケースが多いようです(素材の色から、原型が“Greens”などと呼ばれています)。ゲームズワークショップの『グリーンスタッフ』(写真一番右)や、F.M.P.ショップにある『Duroパテ』などがこのタイプです。
各社製品毎の違いは…硬度・密度・硬化時間(※)・色などです。(機会があれば、それぞれの比較レポートを掲載します)
木工用・プラモデル用など多数の商品がありますが、メタルフィギュアには、“金属用”を使うと良いでしょう。なお、硬化後に付け足しても接着性があまり良くありませんので、ご注意下さい(瞬間接着剤を混ぜるとマシ?・・・試してませんのでオススメできません)。また、成形の際には、手やツールにメンタムや水をつけながら作業すると、ベタつかずに処理出来ます。
※.適度に熱を加えると硬化促進が出来るモノもあります。
硬化時間 |
:ふつう(速乾性のもの) |
表面処理に使用 |
:× |
穴埋め・改造 |
:◎ |
◆FMPオススメ品◆
○タミヤ エポキシ造形パテ(速硬化タイプ) …隙間充填などに使用
○Duroエポキシパテ(グリーンタイプ) …モールド調整・追加やパーツ接合面の処理などに使用
○アルテコ 多用途ねんどエポキシ(エポキシ接着剤) …ベースデコレートなどに使用
■ポリエステルパテ(有機溶剤系パテ)600円くらい〜
ペースト状の主剤に硬化剤を指定の比率で混ぜ合わせ、硬化させるタイプです。主剤の固さが色々あります(硬化後は大差ありません)。穴埋め・改造に使いますが、加工出来るのは硬化後になります。ペーパーなどでの切削性が適度なため、ガレージキットの原形などに良く用いられるようです。硬化後の付け足しも問題ありません(瞬間接着剤を混ぜないと付け足し辛いものもあるようです)。
チューブ入りや缶入りがありますが、メタルフィギュアに使用する場合は、チューブがオススメです。缶入りは量が多過ぎて、使い切るのが大変です(笑)
硬化時間 |
:早い |
表面処理に使用 |
:○ |
穴埋め・改造 |
:○ |
◆FMPオススメ品◆
○特にありません。
(takaponはVolks造形村のポリエステルパテ1800/500g入りを所有。が、有機溶剤がキツイので
殆ど使いません)
■瞬間接着パテ(化学反応型接着剤)1200円くらい〜
瞬間接着剤状の液体とパウダーを混ぜて硬化させ、パテと同様に使うものです。各比率を変えたり柔軟材を混ぜることにより、硬化時間や硬化後の固さなどが、ある程度自由になります。標準の切削性はプラ剤に良く似ています。ヒケも多少ありますが、穴埋め・修正などちょっとした作業には、時間が短縮出来て便利です。箱に“接着剤”と書いてあるとおり『パテとは認めない!』という人も居るそうで、非常に便利ですがその立場は微妙です(笑)
硬化時間 |
:とても早い(瞬間接着剤と同等) |
表面処理に使用 |
:△ |
穴埋め・改造 |
:◎ |
◆FMPオススメ品◆
○アルテコ 瞬間接着パテSSP-HG
大体お分かり頂けたでしょうか?どのタイプが何の作業に使い易いかは、各自で試してみて下さい・・・と投げてしまうのもアレなので(笑)メタルフィギュアのみに使うのであれば『エポキシパテ』さえ持っていれば大抵の処理はまかなえますよ。お店で迷ったら、店員さんに確認しましょう。これらの商品を扱っているところであれば、僕より上手にアドバイスしてくれるハズです…
また、特に塗布・盛り付けなどの具体的な方法は書きませんでしたが、つまようじなどで必要箇所に盛り付けるようにして下さい。その際に、エポキシパテ以外は硬化後に体積が減りますので、必要量より多めに盛って下さい。具体的には、商品の説明書にしたがって作業すれば間違いありません。分量などがシビアなものもありますので、説明書は捨てずに必ず保存しましょう。
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